大阪東ブロック 広報熱視線(Act.3)京阪支部「車座」ってナンだ!?

7月12日、京阪支部「7月度 京阪車座『弁護士の放課後』~会員の集い&ミニ報告~」が、ドーンセンターにて開催されました。

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経営者であれば、事業におけるトラブルには常に備えておきたいと思うものです。しかもそれが法律の分野であるとなると、なかなか敷居が高いと感じることもあるかもしれません。

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そんな中、今回は京阪支部会員の弁護士さんのミニ報告を聞けるということで、多くの会員が参加しました。関心の高さがうかがえます。

まずは、谷町中央法律事務所 弁護士 大西克彦さんから。
http://tanimachi-law.com/

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大西さんは個人で、民事一般・交通事故・労働事件・マンション法・家族関係事件・債務整理・企業法務・刑事事件など幅広い分野で業務をされています。

今回は、少年事件における拘置所への面会や、損害保険の弁護士特約による交通事故案件のほか、「成年後見人」の事例を報告くださいました。

成年後見人とは、認知症・知的障害・精神障害などで判断能力が十分ではない方を法律的に支援・援助する人のことで、親族や契約による第三者以外に、司法書士や弁護士といった専門家が選任されることもあります。

お話いただいたのは、成年後見人として大西さんが担当している、2年前に施設に入所した認知症のおばあさんの事例です。

あるとき、おばあさんが近くの百貨店に行きたいと言ったため、タクシーで同行することになりました。ところが、おばあさんは百貨店に着いた途端にトイレへ向かってしまい、大西さんはやむなくトイレの前で待っていたものの、15分経ってもおばあさんは出てきません。

心配になり、掃除係りの人に声をかけてもらったのですが、はじめは反応があったため、そのまま待つことにしました。

ところが、いつまで待ってもおばあさんはトイレから出てきません。とうとう店員さんを呼び、一緒に確認に入ったところ、おばあさんは座り込んだまま反応がない状態に。これは大変ということで救急車を呼び、バールでトイレの扉をこじ開ける事態となりました。あたり一帯は騒然です。それでもおばあさんは、CTスキャンで検査をした結果、異常がないことが確認されたのでそのまま施設に戻ったとのこと。

法律とは全然関係ないのですが、こういった身の回りの世話も、弁護士として行うことがあるというお話でした。

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また、気になる「弁護士の選び方」のアドバイスもいただくことができました。いざ弁護士に依頼することになると、誰に頼んだらいいのかわからないものです。

つい、インターネットで検索して探してしまいがちですが、実は「●●に強い弁護士は誰か、と人に聞いて探すこと」だそうです。自分で弁護士を選定する場にも、専門性を弁護士に聞くことは重要なのだとか。

あと、弁護士との相性も大事だそうです。相性が良いと、信頼してなんでも話しあうことができますから、互いの意思疎通がうまくできて動きやすいですし、情勢の悪い事件でも落とし所を見つけることができたりのメリットがありますね。

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お二人目は、堂島法律事務所 弁護士 小関伸吾さん。
http://www.dojima.gr.jp/

小関さんは、堂島法律事務所の所属弁護士のひとりとして活動しておられ、弁護士が複数人在籍していることから、チームを組んで大きな案件や緊急の案件にも対応できるのが強みだそうです。

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小関さんは、依頼者あるいは金融機関からの紹介で受任することが多く、最後の最後まで何か打つ手はないかと徹底して調べる 「諦めの悪い弁護士」をモットーとしているそうです。

得意分野は、裁判所からの依頼による「破産管財」だそうで、破産者の財産を調査・管理・換価処分し、取引先に公平に弁済・分配するのだそうです。

ここで小関さんは、この破産管財の仕事を「おくりびと」と表現されました。一方、事業再生は「外科手術で蘇らせる」手続きであると…なるほどです。

とにかく、調べることについてはこだわりを持っているということで、病院絡みの事件である医療事故についても、「諦めの悪い弁護士」の力を発揮されているようです。

そんな小関さんですが、すでに飲み会の席などで顔を合わせておられる会員も多かったようで、「いつもと違う小関さんを見れて良かった」との声も上がっていました。どうやら飲み会での小関さんは、ずいぶんハジけたかたのようです。

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ミニ報告の後は、グループ討論です。各班で、ちょっとした悩みや仕事の悩みなどの経営課題、を同友会メンバーの弁護士に相談してみようということで、意見を出し合いました。

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「契約書において、隠れた瑕疵の責任はどこまで持てばいいのか」という質問に対しては、最後に松元社長の爆弾エピソードも飛び出し、「地中に埋まった異物が、瑕疵になる場合もあるしならない場合もある」などと、なかなか複雑な問題であることがわかりました。

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また、つい最近車で追突事故に遭った会員からは、交通事故に関する質問が出ました。これについては、事故の相手方との交渉を、個人でする場合と弁護士とでする場合と慰謝料金額が大きく変わるということでした。 病院に行った日数で費用が決まるため、痛いなら病院に通うことが大切。ただし接骨院では適用に制約があるため注意が必要だそうです。

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「債務者の所有物である車や資材などを、債権の代わりに持ち帰ってもいいのか、これは犯罪になるのか」という質問に対しては、「日本では、そういった自力救済は禁止されているため、裁判所の差し押さえによるものでないと行ってはならない」のだそうです。正しい段取りを踏まないといけないということですね。

そのほか、所持している中古車を事故してしまい、廃車査定は0円になったしまたため、新車を買ったほうが良かったのかという質問も出ていましたが、ここはぜひダイエツオートさんの泉脇さんに詳しく聞いてみたいところです。

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そしてトリを飾ったのは川西さんからの質問です。「SMクラブで客が怪我をした場合、店側は罪になるのか」どうかという内容。

これは実例をもとに、小関さんがサンプル質問として資料に掲載してあったのですが、あまりにも会員の関心が高かったため、川西さんが代表として質問することになりました。決して川西さんの趣味ではない、ということです。

これについて、小関さんの回答は以下の通りです。

「解釈の判例としては、相手の同意があれば殺しても罪にならないという考え方もあるし、 同意があろうがなかろうが反社会的行為であるという考え方ももちろんあります。殺人罪に問われた場合、刑が若干軽くなることがあっても、たとえ相手が同意していようとも罪にはなるでしょう。

好きでやっている行為なのになぜ?どこまでOKなの?という疑問がわきますが、本人がいいといったのであれば傷害罪には問わない、あるいは社会秩序にふさわしくないのでこれは傷害罪にあたる、それぞれの考え方があります。

ただ言えることは、相手の同意があってもそれは無制限ではないということです。このぐらいにとどめておいて、と言ったにもかかわらず行為を続けたら、それは認められないということ。本人が了承している範囲なのかが争点になります。

かつ、軽傷にとどまっている軽度であれば、生命にかかわることではないのですが、本人が望んでないところまでいきすぎたプレイを行って重症に至った場合、同意の範囲を超えているということで傷害罪にあたることがあります。

客がハードなプレイをを望んだ結果、怪我をさせてしまい、身体に重症をおわせ、生命の危険に晒してしまった、死亡してしまった事例もあり、傷害致死や過失致死に問われた判例もあります。

やりすぎたことに落ち度があるという判断です。たとえば、首をしめるプレイなどは、ただちに生命に関わる行為であることはわかるでしょう、ということです。」


SMに興味はなくても、なるほどと納得してしまう回答でした。回答の内容もさることながら、小関さんのご嗜好も気になる、大変関心の高い回答でした。もしかしたら、この会でもっとも盛り上がった時間かもしれません。

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経営と合わせて、切っても切れない法律の問題。今回はそれに触れることができて、大変有意義なミニ報告会でした。ぜひまた、多くの会員に参加していただき、さらに濃い内容になればいいなと思います。

次回「京阪車座」は10月開催予定です。

(取材者/大阪東BL広報委員会委員・泉 美奈)

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