【同友会会員企業訪問-004】株式会社たまゆら 岡本哲 社長

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私たちが仕事で身に着けている作業着やユニフォーム。それらワークウェアや用品販売をされている株式会社たまゆら。今年、創業50周年の記念事業として地元枚方市をはじめ、大阪同友会など地域5団体に合計1,000個のLEDランタンを寄贈されました。国民や地域と共に歩む中小企業を実践されている岡本社長に、寄贈に至ったいきさつや会社のこれからについて伺ってきました。



取材先;株式会社たまゆら 代表取締役社長 岡本哲 氏(枚方寝屋川交野支部)
取材者;大阪東ブロック情報化広報委員会 駒井委員(枚方寝屋川交野支部)


■株式会社たまゆらの概要
枚方市を拠点に、京都南部から北大阪全域に加え、東大阪・八尾、更には大阪市内までをカバーし働く人たちを対象にユニフォームを核として作業服や作業用品の販売を行っている会社です。創業以来一貫してお客様にとって「いるものを、いる時に、いるだけ」をモットーに経営しております。

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■株式会社たまゆらの社名の由来
「たまゆら」という社名は、漢字で「玉響(たま・ひびき)」と書きます。
古代の日本には、勾玉(まがたま)で作った首飾りがありました。首飾りが揺れると、玉と玉がお互いに触れ合うことで、きれいな音色を奏でたそうです。この音色のことを、玉が響いて出る音ということで「玉響」と書き、その読み方として、玉が揺らぐ姿から「たまゆら」と発音したそうです。
私たちは、「お客様との触れ合いの中で響き合い、心優しい音色を奏でる関係を作りたい」という想いから、社名を「たまゆら」としました。

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■株式会社たまゆらの経営理念と同友会理念
私の父母にあたる創業者夫婦が理念を持ってこの事業をスタートしましたが、紙に書いた理念はありませんでした。思うに、創業者が現役の時代は、紙に書いた理念は必要ない。その生き様が理念だし、存在自体が拠り所である。しかし、時代が進み、2代目3代目になった時にその思いをちゃんと伝えていかなければならない。時代の流れとともに様々なものが変ってきます。正しい経営をしているか?その時に原理原則だけはちゃんと残しておかなければならない。そこで、経営理念を紙などの媒体に記録して、社内及び社外で説明できるようにしたのが、この5年間の活動になります。
なかでも、社名の由来は大切にしていかなければならないと思っていますし、5年後も10年後も創業100年を迎えた時にも、社長以下全ての社員がそれを言える会社にしたいと願っています。
同友会理念は、経営者であれば一生かけて学んでいくことだと思っています。同友会の仲間同士だからこそ、お互いに腹を割って理念を語り合うことができるのだと思います。

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■ユニフォーム販売への思い
ユニフォームは衣料品ですが、ただの衣料品ではありません。仕事で使うユニフォームは、その会社が築き上げてきた努力の象徴であり、会社で仕事をする一人一人の思いが詰まったものだと考えています。例えばこんなエピソードがありました。
夜の遅くに電話が鳴り、ユニフォームを1枚どうしても翌日に欲しいと言われました。何とか在庫を探して刺繍を仕上げ翌日納品に伺いました。「誰か新しい人、入ったんですか?」と聞いたら、「違うんや。辞めるんや。」と。「社員辞めるのに何で新しいのがいるんですか?」と聞き返すと、「20年も勤めた職人さんが今日で辞めるんやけど、花束は照れて受け取ってくれない。代わりにユニフォームにみんなで寄せ書きして、その寄せ書きの入った新しいユニフォームを着て帰ってもらおうと思って頼んだんや。」と。
私たちは裏方だけど、このような素晴らしいお客様と共に歩んでいる。そういう思いがあり、自分たちの仕事に誇りを感じています。

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■枚方市をはじめ大阪同友会など地域5団体に寄贈されたLEDランタン
創業50年を迎えたなかで、たまゆらが本当にお世話になった地域の皆さまや団体様にどんな恩返しができるかを社内の皆で検討しました。先の東日本大震災の直後に会社として被災地へ支援物資を届けに行き、また私自身も災害復興のために自ら被災地へ赴きました。被災地の現場をこの目で見てきましたが、夜は本当に真っ暗になります。ただでさえ被災された方は、気が滅入って不安な気持ちで思い苦しみながら、真っ暗な夜を過ごさなければなりません。そのような姿を見たときに、せめて少しでも光だけは確保したいという思いの中で、災害対策の一環としてLEDランタンを考案し、寄贈させて頂きました。

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■活躍する多くの女性スタッフ
正社員だけで言うと男性の方が多いですが、パートさんはほぼ女性です。正社員もパートさんも、お客様の前ではみな平等な立場ですので、たまゆらでは、すべての従業員を「スタッフ」と呼んでいます。店舗スタッフや財務部・受付スタッフは、ほぼ全て女性なので、スタッフ全体として見れば、現状では、男性よりも女性が多いです。
広報室の課長も女性で、たまゆらでの産休制度利用の第1号です。その女性は、4度産休と育休を活用しています。また、12年前から時短勤務も認め、それまで復帰後は社員に戻るかパートになるかの2択でしたが、子供が小学校にあがるまでの間、社員のまま時短勤務が利用できるようになりました。
今でこそ、様々な制度が成り立っていますが、当時はまだまだ女性は結婚や出産と共に退職という文化でした。その頃からの取り組みによって今の時代、人手不足のなかで優秀な女性達が沢山育ってきましたし、女性がしっかり活躍している組織は強いですよね。そのような中で、これからも企業として仕組みをつくっていかなければなりません。今でも実際に、産休・育休制度を利用している女性は何人もいます。また、今年、生え抜き社員から初めて女性の部長が誕生しました。すでに数名いる課長職を含め、いつ誰がたまゆら初の女性役員になるのか、とても楽しみにしています。

■自社の強みと弱み
たまゆらの強み・長所は、「ずっとやり続けてきたこと」だと思っています。どこにでもある商品を、なぜ50年間も売り続けてくることができたのか。50年間の社史をまとめて様々なことがわかってきました。古い社員の人達や既に退職した多くの人達にヒアリングしてみた中で、私自身の誤解や勘違いもあったり、考えさせられたりしたことが沢山ありました。それらを並べてみたときに、たまゆらは、誰もができることを、誰もできないぐらいに一生懸命にやってきた会社なのだなと。それがたまゆらの歴史であり、強みだと思っています。
弱み・短所と言って良いかわかりませんが、大きな特徴として「私たちのビジネスは人手集約型産業である」ということです。店舗は朝の6時半から夜の8時半まで営業しておりますし、営業スタッフは1万数千社のお客様に配達をしていますので、とにかく人手がいります。沢山のスタッフが一生懸命にやってくれていますが、たった一人でも否定されると、会社として評価されないということが一番の弱みだと感じています。一人優秀な人材がいるだけで回していけるのであれば、私たちの苦労はもっと少なかったと思います。挨拶や笑顔、商品知識などみんなが身に付けていかなければならない。それが、ものすごくこれまでの歴史の中でしんどかった部分でした。でも、それを克服して、一つずつ解決してきたのが、たまゆらの強みじゃないかとも感じています。

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■社内教育・資格取得制度
学びの場として、たまゆらアカデミーという制度を作り、人材教育を続けています。簿記試験には昨年4名が合格し、延べ約30名が資格保持しております。販売士試験には昨年13名が合格し、こちらも延べ約30名が合格しています。受付の女性達は、秘書検定にチャレンジしており、合格者を出しています。秘書検取得者だと、例えばお茶の出し方であるとかノックの仕方とか、最初は単純に面白そうだからというきっかけですが、勉強を始めてみて、新しいことを知れば知るほど仕事が楽しくなってきますし、勉強する習慣が仕事に活きてくるのではないかと思います。スタッフの中に資格取得者が増えることで、スタッフ全体の意識も徐々に変わってきています。親子ペアと呼んでいる先輩と後輩が二人一組で営業活動する取り組みも成果が出ており、お蔭様で年間約1,000件の新規開拓をここ3年間ずっとやり続けています。これは、同業者を含めて驚異的な数字ではないでしょうか。先輩達は、後輩達の指導を通じて、自分自身も一緒に学び、後輩達は日々の実践を通して、自分自身で考える力を身につけてくれている証だと実感しています。

■今後の経営ビジョン、展望
創業50年を迎え、様々なことを決めていかなければならない中で、まずは、社内に「たまゆら宣言」をしっかり根付かせていかなければならないと考えています。
そのうえで一つの数値目標としては、今後10年間でグループの年商100億円を目指していきたい。しかし、この先、人口も減ってきて、経営環境は厳しくなる。今までのビジネススタイルだけではダメだろうし、ネットビジネスも更に大きくなってくるでしょう。けれども、私たちは、今まで生き抜いてきたし、生き抜く力も持っている。とはいえ、会社の大小ばかりを競えば、絶対に中身が粗くなります。過去の歴史の中で、規模の拡大を追求して失敗した会社もありました。だから規模を前に持って来てはいけない。でも、反面悩みもある。そのあたりのことをよく考えながら、1つ1つのことを大切に、汗水をたらす事がまず大前提だと思います。それと、これからの時代は、身体を動かすこと以上に頭も使わなければならない。私自身としても、「人に任せる」ということを学ばなければなりません。
そういった中で、スタッフ皆が生き生きと働ける会社を作り上げていきたいと思っています。

※たまゆら宣言「お客様の働く毎日をより良く、より楽しくします」
株式会社たまゆらホームぺージ;http://www.tamayura.co.jp/

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本日は岡本さん、たまゆらの社員の皆さん、ありがとうございました。

(取材;ブロック情報化広報委員会 駒井委員)

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